ハンガリー医学部生のブログ

日本の高校→ハンガリー医学部 入学方法から内部事情まで教えます

ハンガリー医学部受験 攻略法 −医学部本コース編−

ハンガリー医学部に合格するには

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ハンガリー医学部に興味を持ってくださった方へ、その受験方法や合格までの流れをまとめてみました。

 

*この記事は、ハンガリーの各大学の受験を個人で直接受ける猛者のためではなく、HMU(ハンガリー医科大学事務局)という斡旋業者を使って受験する方のために書くつもりです。

*ここでは私の感想や実際に行った対策を元に書くつもりなので、詳しい受験方法などはHMUホームページ 募集要項を参照してください。

 

 

 

ハンガリー医学部入学には大きく分けて2パターンあります。

1、ハンガリーで半年or1年 プレメディコースに通ってから大学入学

2、ハンガリー国立大学の医学部へ直接入学 (本コース入学)

 

前回は、1、プレメディコースの受験について書きました。

hungary-medstu.hatenablog.com

 

引き続き今回は、ハンガリー医学部本コース受験攻略法をテーマに書いていきます。

 

 

2、ハンガリー医学部に直接入学

大学入学までの流れ

8月〜翌年4月   HMU東京事務局@西新宿にて、本コース一次審査受験

 

4月の3週目あたり  HMU東京事務局@西新宿にて、本コース二次審査受験(2〜4日間)

 

9月   ハンガリー医学部入学

 

 

受験科目

一次審査

 −書類提出: 志望動機書、学歴、親の職業や収入、など

 

−筆記試験: 生物、化学 又は 生物、物理 を選択 (日本語 or 英語)

                      英語(TOEFL ITP 集団受験)

−面接試験:日本語と英語

 

 

二次審査

 −筆記試験 

 センメルワイス大学、セゲド大学:

        作文(A4半分弱程度)

        一般英語40問、医療英語20問、生物20問、化学20問 計100問 

 

       

デブレツェン大学、ペーチ大学:

        生物(選択問題 10問、記述問題 2問)

        重点科目(化学 or 物理選択)(選択5問、記述2問)

        重点科目じゃない科目(化学 or 物理)(選択3問)

                         

 

 −面接試験: 各大学から来た教授と、英語での生物、化学の口頭試問 (10分〜長い人で20分程度)

 

 
対策方法

*一次審査については、生物が必須科目という以外、プレメディコースの受検と同一試験なので、以下の記事を参考にしてください。

hungary-medstu.hatenablog.com

 

予備コース、本コース併願受験を選択すれば、一次審査に通った段階で、プレメディコース(予備コース)への入学が可能です。

(受験料: 予備、本コース単願 3万 + 2万 計 五万円)

 

 二次審査 筆記試験

 

センメルワイス大学、セゲド大学:

–作文

年度によってあったりなかったりします。私の年には、試験2週間前くらいに、今年は作文ありません、と言われました笑

なので、作文は私も実物を見ていないので詳しくはわかりませんが、A4半分程度に、例えば、「今年気になった医学関連のニュースは」など、与えられたテーマについて書くようです。

日本の受験では考えられませんが、なにがあっても、さすがハンガリー笑 と思えるような心構えを。   

恐らく、英語力をメインで見ているのではないかと思います。

 

–一般英語

日本の大学受験でもやるような基礎的な文法問題(単語もあったかも)が出されます。仮定法などの実際には使わないような文法は基本出ません。

 

私は、市販の英文法の参考書 「全解説頻出英文法・語法問題1000 (大学受験スーパーゼミ)」を一冊やり込んで対策しました。帰国子女にとっては当たり前にできる問題ばかりなので、合格するにはここでミスはできません。

 

 –医療英語
医学の英単語はラテン語がベースになっているものが多く、単語の始めや終わりにあるラテン語の元の意味を答えよ、という問題が多かったです。例えば、premedical、のpreは、ラテン語で〜より前という意味、など。
 
そんなに難しいものは出ませんが、neuro(神経)、cardio(心臓)、myo(筋肉)などの医療に関するものも頻出です。私はどんな問題が出るのかしらされず、特に対策できなかったので、このセクションでは数問間違えてしまいました。
 
–生物、化学
日本のセンター試験レベルのことが選択問題で、英語で聞かれます。
 
私は日本語で生物、化学の知識がある程度あったので、HMUが実施している本コース試験対策講座を受けて英語で勉強し、問題なく解けました。9割割以上取ることができれば、合格への道は見えてくると思います。
 
 
デブレツェン大学、ペーチ大学:
–生物、重点科目
センメルワイス大学と同じく、センター試験程度で、特に難しい問題は出ません。本コース対策講座で十分だと思います。
重点科目には、物理より化学を推奨します。(本コース対策講座では、化学の方が授業数が多いので)
 
–重点じゃない科目
私は物理を受けました。学校では生物化学選択でしたが、それでも問題ないくらいの難易度でした。例えば、ma=F がわかっていれば解ける問題などがでました。
対策講座でやる物理ほどのレベルは、必要ありませんでした。
 
 
 二次審査 面接試験
各大学ごとに面接審査を受けます。部屋の中には、大学の試験管1人、HMUの理事1人がいました。東京に来る試験管は偉い人なので、その人に推薦してもらえればほぼ間違いなく合格します。
 
試験管はとにかく英語力、人格に問題がないかを重視している印象でした。
 
 
筆記が9割以上取れるくらい勉強していたら、恐らく大事な質問に答えられないことは無いと思います。もし全く知らないことを聞かれたら、とにかく考える姿勢を見せることが大切です。しっかり考え、自信があるように見せる話し方を心がけてください。
 
普段から、英語で生物、化学を説明する練習をとにかくするべきだと思います。私は、対策講座でもらったスライドの内容をとにかく英語で全部言えるようにしました。
 
聞かれた問題は、ミトコンドリアの細胞呼吸の仕組み、肺に水が溜まる病気はにおいて何が問題なのか、などでした。病気についてはまったく勉強していなかったので焦りましたが、肺胞と血管の間の換気が非効率になるから、などと当てずっぽうで答えたら、全く不正解ではなかったのか、減点はされていない印象でした。
 
 
 最後に
本コース直接受験は、受験者の内、各大学3〜5人程度しか合格しないので、確かに狭き門です。合格者は殆どが帰国子女で、海外大学出身者なんかもいます。しかし、私のような日本の高校出身者でも、日本で英語をしっかり勉強し、生物、化学の知識を英語で説明できれば、合格は決して不可能ではありません。
 
合格するには、とにかく英語力が全てです。最低でもTOEFL ibt 85点以上を取れる英語力が必要です。受験で培った英語力は、入学後も必ず役に立ちます。

   

理科系科目の対策については、 HMUが1ヶ月間実施している本試験対策講座を受講することが一番効率的です。私は対策講座での成績が良かったので、デブレツェン大学本試験の面接官に特に大した質問をされることもなく、合格しました。

 

ハンガリー医学部本コース受験については、こんなところでしょうか。

 

今度は本試験対策講座について書こうかなと思ってます。