ハンガリー医学部生のブログ

日本の高校→ハンガリー医学部 入学方法から内部事情まで教えます

ハンガリー医学部 質問(を一部勝手に作って斬っていく)コーナー

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http://photo credit: solutionist999 20847907_m via photopin (license)

 

ハンガリー医学部への質問 受け付けます!

 

作ってすぐにブログに飽きて、2ヶ月全く見ていないうちにコメント欄で質問してくださった方がいるのに、情弱ゆえに回答方法が見つからなかったので、勝手に質問コーナーを作りました!

 

コメント欄にて質問いただいたこと、世間で見るハンガリー医学部への偏見などへの私なりの回答をその都度ここに書いていきますので、参考にしていただければと思います。

 

こんな使い方をして、なんて時代遅れなアホな奴と思われると思いますが、こういうものになれてなくて、もう素敵なやり方を調べるのがめんどくさいのです。ごめんなさい笑

 

まじめな質問コーナー

Q,ハンガリー医学部卒業生は、日本の医師国家試験を受けられないの?

確かに、ハンガリーの医学部を卒業して医師国家試験を受ける場合には、厚生労働省の審査が必要です。しかし、その審査に通らないかもしれないと心配している6年生の先輩方を見たことがないですし、通らなかったという話を聞いたこともありません。ハンガリーの医学部は日本の医学部よりも早くから国際基準を満たしていると認定されていますし、先日もハンガリーの首相が来日してハンガリー医学部の奨学金について合意したそうです。

日・ハンガリー首脳同席の下、奨学金の覚書を更新しました。 | 海外医学部留学 | ハンガリー医科大学事務局

 

元々ハンガリー医学部留学については日本政府公認の事業なので、現状が悪化することは今のところは無いのではないかとおもいます。

詳しくは、ハンガリー医科大学事務局に直接お尋ねください^ ^

 

Q, 40代からの留学は現実的?

30代、40代、50代と年齢が上がるにつれ人数は減りますが、沢山の大人の方が医師を目指して勉強しています。入試に余計な数学や文系科目が含まれないこちらの医学部は、むしろ大人の方にこそ開かれるべき門戸なのではないかと思います。

現実的な問題としては、金銭的な保証ももちろんですが、御本人の英語力、体力も確実に必要です。私の友人にも30代の学生がいますが、慣れない英語で、毎晩遅くまで勉強し、分厚い参考書一冊分をテストまでに暗記する、ということの繰り返しに苦労している姿を見ます。

ただ、もし留年したとしてもすぐに退学が決まるわけではなく、何度もチャンスは与えられますし、医師になりたいという思いで努力しきれることが一番大切です。

ハンガリーの医学部は、入ったら確実に医師になれるわけではないですが、幅広くチャンスを与えてくれるので、大人の方にとっても有効な選択肢になり得ると思います。

 

Q, 放射線の半減期などの計算はありますか?

ラディオロジー(放射線学)は物理の授業の最も重要な部分なので、もちろんやります。計算問題は物理のテストに必ず出るので、それより難しいもの、例えばボルツマン分布を求める複雑な公式、などを使う場面もあります。しかし、計算問題のある場合は必ず電卓持ち込み可能で、公式集もテスト中に配られ、パターンが練習問題と全く同じものしか出ません。物理は毎年かなり留年者が出る科目ではありますが、その難しさは計算ではなく、教授とサシでやりとりできるまで物理現象を理解すること、にあると思います。

 

Q,留年するとしたらお金はどうなりますか?

その一年分の学費、生活費、保険料がまるっと増えます。だいたい年間で、学費160〜190万円、生活費(家賃こみ)10〜15万円、保険料2万円くらいでしょうか?私はハンガリー政府の奨学金をもらっているので、学費は6年間全額無料ですが、一般的にはそんなものかと。金持ちが多いので、贅沢に暮らしている人の生活費はもっとかかるかもしれません。

 

Q, 日本の入試が上手くいかないからハンガリー、それってあり?やっていける??

むしろ大多数の学生の理由は、結局のところそれです。帰国子女だから、もう大人だから、などの事情はありますが、つまり日本の大学に受からないから来る人が大多数で、将来海外で働きたいから、などという理由の人は少ないです。まぁなので、珍しくは全然ないですが、個人的には、2年くらい浪人しても日本で医学部に入ることの方が、卒業までを考えると確実に楽そうだなと思います。周りの目を気にして、焦ってハンガリーに来ると、3年間自分の弱さと勉強に苦しんだ挙句退学されていく沢山の先輩方のようになるかもしれません。

やっていけるかどうかは、個人の能力(理解力、タスク管理、記憶力)をきちんと把握してるかどうか、そして自分に必要な分の努力が6年間毎日休みなく続けられるのか、にかかっています。学校外での1日の勉強量は平均2〜3時間だと思いますが、人によっては6時間くらい毎日勉強し続けてる人もいます(もちろんそういう人は留年しません)。

日本でどうしてもダメでも本当に医者になりたい場合には、チャンスを多くの人に与えてくれるハンガリーの医学部は、ありだと思います。結局日本の入試なんて医学部入ってからはなんの役にも立たないので…

 

Q, 基礎数学についていける自信がないのですが、、、

以前の記事で書いた、1年生前期にある基礎数学のテストですが、ほぼ日本の基礎物理簡単バージョンです。私のように数学を苦手とする方々にとっても、学校で配布される薄いテキストを3〜5周ほどやり込んで臨めば、全く問題はないと思います。ハンガリー医学部では数学能力が問われることはほぼありません。物理も、日本のようにボールが飛ぶだの、細かいことをちまちま計算する様なものではなく、MRIの仕組みを理解し、せつめいする、などかなり文系に偏った理解と暗記中心の科目です。ただし、中間試験にだけは出題範囲の決まっている計算問題があるので、試験前に一通りやっておくべきです。

 

Q, 生物試験の際、植物などについて聞かれるのか

植物は一切でません。光合成くらいは知っておいて損はないと思いますが。その他にも、生物史、分類五界説について、などは出たと聞いたことはありません。

 

知った様なこと言うなよコーナー (主にネット上の偏見より)

Q, 斡旋業者は詐欺なの?

HMU(ハンガリー医科大学事務局)には、確かに安くないお金を払ってはいます(6年で360万程度)。しかし、詐欺ではありません。入学前には入試を東京で受けることができ、ビザの取得や、アパートの契約、など、細々とした生活面でのサポートをしてくれて、私のような日本から出たことのなかった、書類が苦手なズボラでおっちょこちょい人間にとっては、確実に留学へのハードルを下げてくれます。

また、HMUのオフィスで、毎週先輩や大学の講師からチューターを受けることができ、ハンガリーの特殊な試験を突破して行くときに、情報不足による不利益を被らないようにできます。

更に、ハンガリーでは、私たちはハンガリー語を喋らないという点で常に不利な立場にありますが、私が引っ越したときHMUが間に入ってくれたおかげで理不尽にお金を取られすぎずに済みました。

斡旋業者を使わずに大学に入ってる方もいますが、日本から来る場合には大抵HMUを通して来る方が、煩わしいことがあまりなく、色々とスムーズではあると思います。

ただし、入学前と卒業時以外の生活面でのサポートはそこまで手厚い訳ではないかもしれないです。

Q, 授業ってハンガリー語なんでしょ?笑 難しいんだって?www

英語です笑笑 

 

Q, どうせ金持ちのバカたちがいくんでしょ?

確かに、君は何をしにきたんだい、的な方々もいらっしゃいます。ただ、そういう人たちは留年を繰り返し、退学されます。その一方で、学歴が大切ではないものの、京大、東大出身者や、麻布、ラサール、桜蔭、女子学院など有名高校を卒業した方、海外大出身者なども多く、年齢も19〜50歳前後と幅広くて、多様性に富むとても面白い環境です。

入学後はどの様な経歴を持っている方でも関係なく、かなりの勉強量が求められます。有名校出身者でも、何年も留年してる方はゴロゴロいます。純粋にモチベーションの高い人が、最終的に残っていきます。

言ってしまえば、入学以降は日本の医学部のがはるかに楽です、日本の医学生の友達は沢山いますが、曰く大学は人生の夏休みだそうなので、、、

 

Q, 日本に帰ってこれないよ?

普通に卒業していれば、日本の国試の受験資格が得られないことはほぼありません。帰国子女で日本語が得意でなく、在学中に海外の方と結婚されている、と言うケースで受験資格が得られなかった、的な話は聞いたことがあります。詳しい卒業実績はHMUのサイトを参考にしてください。

ネットでは日本の国試はほぼ100パーセント無理だから!みたいなことを書いている無知な方がいますが、事実無根です。

ただ、個人的には、日本で就職すること前提ならハンガリーの医学部に来る必要は無いと思います。英語で勉強して何か新しい医師としての働き方を探したい、と言う方には、EUの学生になるというのはかなりのメリットなので、お勧めします。

 

 

とりあえずこんな感じでしょうか?

これからもここに付け足していきたいので、質問お待ちしてます^^