ハンガリー医学部生の1日 -建前と実態-
ハンガリー医学部は超忙しい、はウソ?
ハンガリー医学部は、留年&退学者続出の超過酷な環境で、卒業したければ生活を勉強に捧げなくてはならない
ハンガリー医学部 で検索してみた方は、この様なセリフを沢山目にしただろう。
実際私も入学前、デブレツェン大学の先輩に、「6年間毎日受験生くらい勉強できるかどうかにかかっている」的なことを言われた。
しかし私は今、
いや、そこまででもなくね?
と思っている。
先輩方を見ていても、勉強が厳しいのは確かだが、日本の受験生程かと聞かれると疑問である。
だがしかし、学生達の会話の中にも、彼らのブログにも、自分達は勉強がとても大変だ、という絶対的な共通認識があるように見え、不思議に思うことがある。
そんな訳で今回は、学生達が口々に大変だと言うハンガリー医学部での生活と、その実態、そしてなぜ彼らはそんなにも自分が忙しいことをアピールしたがるのか、について書いていきたい。
ハンガリー医学部生の一日
私が入学前に思っていた、もしくは学生たちがアピールしている、毎日受験勉強な生活、はこんな感じだろうか
確かにこのスケジュールは誰がみても過酷だろう。
私も、医学部なんて授業も多いだろうし、毎日課題に追われて寝る時間なんてないのではないか、くらいに思っていた。
しかし、ハンガリー医学部において、
この様な生活を毎日している人は見たことがない。
(スタディールームにこない先輩はわからないが、多分いない)
そもそも授業は1日3〜6コマ、そのうち半分は自由出席のレクチャーで、不真面目代表の私なんかはレクチャーを全て切っている。(自分で勉強した方が早い、という理由も一応ある)
テスト前以外で毎日しなきゃいけない勉強なんて、強いて言えば予習復習くらいだろうが、それに1日6時間もかかるというのはあまり自慢にならない。しかも、毎日予習復習をしている人など、どれだけいるのだろう、と思う。
実際は、授業後は学校のサッカーチームに入っている人もいるし、習い事やジムに通っている人たちもいて、思っていたよりはるかに文化的な生活を送れている。
例えば2年生時の私の生活はこんな感じだ 。(週テスト、中間、期末含めテストが全くない時)
私は、アナトミーだけは授業の合間の時間で予習復習していた。
もっと勉強してるよ!と怒る人もいるかもしれないが、私自身はこれより勉強していない日も多い。
もちろん、授業が8時から始まる日もあれば、19時に終わる日もあって、だいたいそういう日は空きコマがとても長かったりする。
レクチャーに全部出ている人は、授業の合間の自習の部分がレクチャーになる。
チューターというのは、解剖学などの重たい科目を、日本人の優秀な先輩が集団授業で教えてくれる制度で、大体週に1〜2回、HMUのスタディールーム(学校から2駅)で行われる。
なので、チューターのない日に、ジムなどに通っている人が多いのではないだろうか。
この期間は、学期中であっても、日本人学生達の飲み会が開催されることも多々あり、先輩方も沢山参加していた。
ちなみに、先ほどのゆったりスケジュールはあくまでテストのない期間で、私の場合テスト前はこうなる。(期末テスト期間中は、授業がない)
私は、普段ほぼ勉強しないせいでこんなことになっているが、もっと規則正しく頑張っている人ももちろんいる。
たが、こんな感じでもGPAは4.8以上あるので、まぁ私にはこの方法があっているのだろう。
こつこつやっても忘れるものは忘れるし、どうせテスト前にやらなきゃいけないならそんな普段からやってもしょうがないじゃん、というのが私の意見だ。
つまり、テスト前とそれ以外の勉強のバランスは人によるものの、
・6年間毎日受験生
・勉強しかできないつらい日々
というような極端なイメージは、必ずしもこの通りではない、と言えるだろう。
なぜそんなにも、忙しいとアピるのか
ではなぜ、一部のハンガリー医学部生はそんなにも忙しいとアピるのか。
まずは、HMU(ハンガリー医科大学事務局)が入学前に散々脅してくることも原因だと思う。恐らく、あまりにも軽い気持ちで入学して、すぐに退学する人を減らしたい、という目的があるのだろう。
だが、スポーツなどしてる暇はない、くらいにいうので、入学後も自分たちは他の学生と比べてすごく勉強させられてると思い込んでいるのではないだろうか。
少なくとも、日本で受験生をやっていた高校の同級生達の方がはるかに勉強していた印象を受ける。
次に、毎日楽しそうにしている日本の医学生への自分達なりの虚勢、というのもあるだろう。
こっちにはキラキラしたサークルもないし、スタバでバイトもできない。有名大学医学部のような社会的ステータスも知名度もない。だがそれを、毎日勉強に明け暮れる自分たち、とすることで遊び呆けている日本の医学生より崇高な毎日を送ってる特別な学生と思わせたいのではないだろうか。(ちょっとひねくれすぎかも笑)
確かに私にも、日本の医学生は勉強していなさすぎるイメージがあるので、わからないでもないし、確実にハンガリーの方が勉強は大変だとは思う。
ただ、個人的に私は大学は勉強するところだと思っているので、毎日新しいことが知れる環境にとても充実感がある。
そんな風に忙しいばかりをアピールする記事も多いけど、実際やってみたハンガリー医学部での生活は、そこまで恐れられるほど厳しくないし、運動や趣味に割く時間も作れるし、飲み会にも行けるし、イメージよりだいぶ快適で楽しかったよ、ということが伝わればいいと思う。
最後に
結局は自分が必要なだけの勉強時間を把握して、自分のやり方で頑張る必要はある。
だがハンガリー医学部においても、毎日むやみに長時間勉強する必要はない。
授業中だけでもまじめに取り組み、チューターなども活用して理解だけでもしておければ、テスト前の勉強で十分間に合う教科が大半だと思う。
結局留年するのは、授業中に理解していないまま放っておく人、テスト前に頑張れない人、何をどう覚えることがその教科において意味があるのかそもそも理解していない人、などそんなに時間がかからないことさえしていない人ではないかと思う。
6年間勉強だけに圧迫された苦しい生活を送る、というイメージでもしためらっている人がいたら、必ずしもそうではない、ということを伝えたかった。
長くてすみません笑
以上が私の思うハンガリー医学部生の生活でした。最後はただの日頃思ってる私の感想でしたねw
少しでも、ハンガリー医学部進学を考えている人の助けになれたら嬉しいです。
次は何書こうかなー
*コメント頂きました
お疲れ様です。
どうして上級生が忙しいアピールをするのかっていうことで、誤解されているようです。
もちろん自分の努力をひけらかすために勉強してるアピールしてる人もいますが、一番の目的はそれなにり勉強つらいから「覚悟してこいよ」ってことを言っているわけです。
ご存知の通りハンガリーの学校は頭おかしいぐらい忙しい学年があります。その時が来てもびっくりしないようにってことです。油断してのほほんとしていると痛い目にあうのがハンガリーの医学部です。一年生では中々そういった感覚がまだ分からないかと思いますが、みかんさんも油断せずに頑張ってください。
この方のおっしゃる通り、後輩が厳しさをナメないように、という目的なのか、後輩にいかに自分が忙しいかを語ってくださる先輩方もかなりいらっしゃいます。
今回のブログの趣旨が、どちらかと言うとハンガリー医学部へのハードルを下げていきたい、という方向性なのでわざわざ書いていなかった為、掲載させていただきました。
私は1年生ではないのですが、のほほんとしてないで、頑張りたいと思います^ ^