ハンガリー医学部生のブログ

日本の高校→ハンガリー医学部 入学方法から内部事情まで教えます

ハンガリー医学部生の留学持ち物リスト ベスト18

ハンガリー留学に必要な持ち物って?

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アメリカやカナダなど、わりと情報の入ってきやすい留学先と違って、ハンガリーへの留学は持ち物すら見当もつかない、なんて思っている方も多いはず。

 

かくいう私も初めは右も左も分からない状態でハンガリーへ留学し、様々ないらない物、持ってくればよかった物への後悔を経験しました。

 

そんな訳で、今回はハンガリーへの留学に持っていくべき物、いらない物を、私なりに選んでいきたいと思います!

 

全体的に

ハンガリーの首都ブダペストは、恐らく皆さんの予想以上には、便利で発達した都市です笑

コスメなども置いているマツキヨ的なドラッグストアもあるし、アジア食材店もいくつもあって、H&Mなどが入ったショッピングモールもあります。AmazonはハンガリーにはありませんがドイツのAmazonが使えます。なのでこれを持っていかないと生活ができない、というものはありません。

しかし、ちょっとおしゃれなもの、持っていると気分が上がるもの、日本人ならではの生活用品、などについてはハンガリーではほとんど手に入らないと思った方がいいでしょう。

 

それでは、私的ハンガリー留学持ち物リストを発表します!

 

ハンガリー留学持ち物ベスト18

1、iPad、などApple製品

   医学生にiPadは必須!ハンガリーにApple storeは無く、i style という提携店があるが、大体皆ウィーンのApple storeに行く。だが日本はApple製品が一番安い国の一つなので、ヨーロッパで買うと3〜4万円高いことも。

 

2、ヘッドホンなど日本の電子機器

  

3、cタイプ変換プラグ、日本のプラグの延長コード

   ハンガリーではcプラグの延長コードしか手に入らない。

 

4、AIGなど海外旅行保険

   少し体調を崩して病院にいっただけで、保険なしではトータル4万円かかった。

家族の病気など急な帰国がしたいときに飛行機がいつもの2倍以上することもあるので(20万〜30万円)できれば緊急帰国もつけるのがおすすめ。

 

5、日本のカード

   ハンガリーでも口座とカードは作ったほうがいいが、念のため。

 

6、自分に合うコスメ、基礎化粧品

   ロクシタンなど海外有名ブランドのお店はブダペストにあるが、日本のように安くて可愛いコスメはない。基礎化粧品も、ヨーロッパの硬水で作られたものは合わない可能性があるので、もってくるのがおすすめ。

 

7、おしゃれな服、下着、靴、バッグ

   H&M、ZARAや、CHANELなどの海外ブランドはブダペストにあるが、日本人が好むデザインのものはあまりない。特に服にこだわりがある人は持ってくるのがおすすめ。

 

8、ヒートテックのインナーや靴下

   ユニクロはハンガリーにないが、冬はかなり冷えるので持ってくるといいかも。

 

9、日本のサプリ、薬、傷パワーパッドなど

 

10、耳かき、日本のヘアゴム

   ハンガリーのヘアゴムはすぐ切れる。

 

11、日本のポリ袋

   ハンガリーにはすぐ破れるビニール袋しかない。

 

12、和風だしの素、中華だし、柚子胡椒などのこだわり調味料

 

13、日本のスープの素、お茶漬けの素、味噌汁の素

   体調を崩した時や、ホッとしたいときにおすすめ。

 

14、ラーメンセット(一蘭やご当地ラーメンなどのお土産用)

   美味しいラーメン屋はブダペストにない。日本からのお土産にも喜ばれるかも。

 

15、日本の餅

   トッポギなどはあるのに、なぜかアジア食材店にもあまり置いてない。

 

16、日本のお菓子

   干し芋、デパ地下お菓子、柿ピーなど

 

17、炊飯器

   できればハンガリーから日本に帰る日本人に譲ってもらうのがおすすめ。レンジで炊くやつは結局めんどくさくて使わない。日本の空港には小さめの炊飯器も売っているらしい。

 

18、レトルト食品、お惣菜の缶詰

   勉強が忙しく精神的にもきつい時はとても重宝する。

 

 

ハンガリーで手に入るもの、いらなかったもの

メイク落とし、洗顔、シャンプー、生理用品

   全部ドラッグストアで買える。

 

紙類のノートや参考書

   結局使わない。この機会にiPadに乗り換えるのが本当にオススメです!

 

ポン酢、醤油、めんつゆ、みそなどの基礎的調味料

   だしの元は持ってきた方がいい。中華だしも添加物半端ない味がします。

 

米 

   現地のスーパーですら手に入る。

 

包丁などキッチン用品

 

冬用ジャケット

   ダウンジャケットはこっちで買った方が暖かくて安い

 

海外対応ドライヤー

   風圧弱い。こっちで買える。

 

ピル

   ハンガリーの産婦人科でもらえる。日本の半額以下。

 

最後に

以上が私が思うハンガリー留学に必要な持ち物たちでした。

こんなのいる?現地で買える??などご質問あればいつでもお待ちしています!

 

テストが重なったもので、持っていったほうがいいものを教えてほしい、というリクエストを頂いてから遅くなってしまってすみません。

他にもこんな事知りたい、などありましたら教えてください^^

 

 

*コメントへの返信

コンタクトレンズは持っていったほうがいいですか?洗浄液はありますか?

   私はワンデーアキュビューを使っているので、そこまで沢山日本から持ってくることができず、Amazonドイツで買っています。

johnson and johnsonでしたら確実にこちらでも手に入りますが、日本より少し割高な印象です。

洗浄液については使わないのでわかりませんが、こっちにもコンタクトを処方する眼鏡屋(vision expressなど)はあるので、ハンガリー人のコンタクトユーザーはドラッグストアで買っているのではないでしょうか。

 

*持ち物について以外のコメントには、下記の記事にて答えさせて頂いてます!

hungary-medstu.hatenablog.com

 

 

ハンガリー医学部の教育レベル

ハンガリー医学部はレベル高い?低い?

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https://jp.freepik.com/free-photos-vectors/background
ハンガリーなんていう東欧の小国で勉強したような学生が、将来医者になって日本で働かれたら困る

そんな意見を何度かネットで目にしたことがある。

 

この記事を読んでくださっている方の中にも、実際ハンガリー医学部の教育内容はどの程度の質であるのか、ということが気になっている方も多いのではないかと思う。

 

そんな訳で今回は、ハンガリー医学部の教育レベル、と題してその内容やクオリティについて書いてみたい。

私なんかが書くのはおこがましいのだが、先輩方から聞いたお話や、日本政府によって調査された際の論文などを参考にしながら、恐る恐る書こうと思う 笑

 

世界的に認定されたハンガリー医学部の教育システム

ハンガリーの医学部教育はハンガリー認証評価委員会(Hungarian Accreditation committee:HAC)によって審査、認証されている。

またそのHACの認証プロセスは、アメリカの外 国医学教育認定委員会(National Committee on Foreign Medical Education and Accreditation: NCFMEA)による審査を受け,アメリカの医学部と同等レベルであると認定されている.

 

よって、ハンガリーの医学部教育は、国際的に見ても水準を満たしていると言える

一方、日本では2023年問題が取り沙汰されるなど、医学部教育が世界水準を満たすための改革が行われている最中であり、日本の医学教育の方が圧倒的に優れている、などとは言えないのではないかと思う。

 

では次に実際のハンガリー医学部のカリキュラムについてみていこう。

 

ハンガリー医学部のカリキュラム

 

ハンガリー医学部では、6年制を採用している。

高校卒業、または同等の資格があると認定を受けたものが入学でき、年齢の上限は無いとされている。ただ、50代の学生はいるが、60代以上の学生は私は見たことがない。

 

1,2年次は、解剖学、生理学、生化学などの基礎医学を集中的に学んでいる。

それぞれの科目について、学年全体で受ける講義だけではなく、10〜15人程度のグループ毎に実習の時間が設けられている。

講義の質は完全に各週の担当教授次第で、基本的にあまり斬新さはない。ただスライドを読み上げる教授や、低クオリティのスライドを創り上げる教授もいて、テストに向けては各自が参考書などを使って自習する必要がある。

ただ、ほとんどの教科において、先輩方から踏襲される虎の巻的なまとめノートがあり、それをインターネットで調べながら、必死で覚えていくことになる。

 

実習の質も担当教授によるものの、日本での高校時代の授業よりもかなりアクティブな授業だと感じる。

解剖学の実習では、とても検体数に恵まれ、例えば心臓が10個近く入ったバケツが各教室にある。実際に解剖することはメインでなく、様々な角度から解剖されたあらゆる臓器を何個も観察して、とても細かい部分まで実際触れながら学べるのでとても有意義な実習である。

その点は、2、3人で1体の検体を解剖して終わり、という日本の解剖学とは、主旨がかなり異なる。

一学年250人強の生徒に対し、生理学のデパートメントだけでも20人近い教員がいるらしく、そのおかげで全教科において少人数の実習が行えるので、教員数の割合という意味ではとても恵まれた環境にいると思う

教員数に恵まれているおかげで、中間・期末試験がほぼ全教科において口頭試問で行われる。20〜30分かけて教授にかなり深いところまで突っ込まれるので、学生にとっては厳しい面もある。だが相当勉強した上で合格、進級できることになるので、卒業生の質は確実に向上するのではないだろうか。

 

1年次から既に病院での看護研修があり、早い段階から患者と接する機会がある。ただ、人によっては採血などをさせてもらえる事もあるが、基本は毎日ベッドメイキングと食事の配膳をするだけで終わるので、この実習が正直そこまで意味があるとは思えない。

 

3年次から臨床医学が始まり、ここでも講義に加えて少人数での病院実習が行われる。医師の指導のもと、実際に患者と対して学習するようである。

大学附属病院が都市全体を管轄する病院となっていて,日本と比べて病院あたりの患者の数や手術数がとても多い。そのため学生が実習する環境としては十分であると言える。

関連病院での実習もあり,救急医療などに触れる機会もあるようだ。

4、5年次の外科実習などでは学生が手術の第一助手を務めることもあるらしく、また6年次には1年間を通じて臨床実習が行われる。 

卒業前に長時間かけて幅広い経験を積むことができ、とても貴重な環境だと思う。

 

 

まとめ

確かにハンガリーは日本と比べるとまだ経済力は劣るため、最新の医療機器の数は少ないかもしれない。

だが、学生の立場で学ぶ上では、理不尽なことや、厳しいことも多いものの、教育の質にかなり恵まれた環境なのではないかと思う。

病院での実習は、希望者は日本や欧米諸国でもすることができ、学生のうちに様々な環境での医療に触れることができるのはとても貴重な経験になるだろう。

加えて、医学部に入ってから、ここまで必死に勉強してまで本当に医師になりたいのか、と自問し、努力を続けた学生が最終的に卒業することになるので、卒業生の医師としてのモチベーションはとても高いと思う。

  

なので、みなさんがもしハンガリー医学部卒の医師に会う機会があれば、人一倍努力して医師になった先輩方に、ぜひ安心して身を任せていただきたいです!

 

今回の記事を書くにあたっては、こちらの論文を参考にさせていただきました!

www.jstage.jst.go.jp

 

また長くなりました 笑

なにか医師として新しいことに挑戦したい人や、医師になれるチャンスが欲しい人には、ハンガリー医学部をぜひ一度考えてもらいたいです^^

読んでくださった方の参考になれたら嬉しいので、ご質問、コメントなどありましたらお待ちしてます!

 

*コメントいただきありがとうございます!

質問コーナーにコメントの返信を追記させていただいてます:)

ハンガリーでの生活事情編はそのうち書きたいです

いま絶賛中間テスト中なもので、、、

 

hungary-medstu.hatenablog.com

 

 

 

ハンガリー医学部のメリット・デメリット

ハンガリーで医学を学ぶ

近年メジャーになりつつあるハンガリー医学部。しかし未だにその実態はあまり知られていない。

そんな訳で、私的わざわざハンガリーに来て医学を学ぶことのメリット、デメリットをあげてみたい。

 

そもそもハンガリーとは

ハンガリーと言うと、大抵の人に、どこ? と言われる 笑

ハンガリーとは、東欧と呼ばれる、ヨーロッパの東に位置する国々の1つだ。

隣国にはオーストリアやポーランド、チェコなどがあり、有名な音楽の都ウィーンには電車で約2時間半で行くことができる。

 

川沿いの夜景は世界遺産で、温泉も有名。首都のブタペストには観光客も多く、とても賑わいのある街である。

 

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ハンガリー医学部のメリット

英語の授業

      カリキュラムは全て英語で、テストは殆どが口頭試問。ある程度英語力がないと厳しいのは確かだが、周りの教師や生徒もとても英語が流暢なのに、英語を第二外国語とする人達なので、英語が下手で有名な日本人でも優しく受け入れてもらえる。そして、将来日本以外で医師として働くことも視野に入れている人であれば、もはや英語で医学を学ぶと言うのは当たり前に必要なことだ。ちなみに、日本は母国語で医学を教えている、数少ない国の1つなのである。

 

EUの学生になれる

      EUというのは言ってしまえば、みんなでアメリカに勝とう!と言う目的でなされているので、EU内での協力関係がとても強固である。ひとたびEUに所属する学生になれば、ヨーロッパ諸国(スペイン、ドイツなど)への留学プログラムがゴロゴロしていて、それらはほぼ無料で参加できるものばかりだ。EU圏内の移動は陸路も可能で、とても安く・気軽にヨーロッパを回ることができる。

     他にも、ヨーロッパは学生にとても優しい。美術館やオペラなどが、学生であれば激安で楽しめる。豊かな文化的歴史を持つヨーロッパで学生が出来るのは、医師になったあとの将来的にも物凄くメリットがある。

 

EU・アメリカなどの医師免許が取れる

      EU圏内の大学を卒業すれば、EUの医師免許が取れて、在学中に努力次第ではアメリカやカナダの医師免許も取得できる。医師免許があっても、働くとなると言語の壁などはあるものの、やはり将来の選択肢を広げてくれると思う。

 

安い

      ハンガリーは共産圏を抜け出してまだ40年。最近少しずつ物価は上がっているものの、それでも食事は同じくらいのクオリティのものがだいたい日本の半額で食べられる。家賃も、日本でいう銀座あたりに住んでも月7万。

      ハンガリー医学部の学費は約180万円×6年=1080万円。日本の私立医学部とは比べ物にならない安さだ。私の場合はハンガリー政府の奨学金をもらっているので(各大学ごとに、日本人の中で毎年3人くらい)、無条件で学費が全額無料になっている。

 

暮らしやすい

        首都ブダペストの話だが、とても綺麗で、歴史的で、コンパクトな街だ。東京よりも全然規模が小さいので、どこへ行くにもだいたい10分でいける。交通網がとても発達していて、その便利さは東京以上だと思う。しかもその全てが使える月間パスは1月で3500円程度なのである。

        スーパーやドラッグストアも便利さは東京と大差なく、基本的に生活に必要なものは全て手に入る。アジア食材店も沢山ある。

 

男尊女卑が皆無

        ハンガリーの医学部には世界中から学生が集まっているが、その中で女子の人口が圧倒的に多い。大体6:4くらいの比率に見える。私のクラスは男子4人に対し、女子は8人いる。

        恐らくだが、わざわざハンガリーにまで来るガッツのある学生には女子が多いこと、そして、入試で面接が非常に重要視されている結果だと思う。先日の医療社会学の授業では、まだ世界にはこんな国があります、と言う例で、日本の医学部が男子に点数をかさ増ししていた、ということを教授が教えていて、そのくらい問題視されるべき話なのだと改めて怒りが湧いた。

 

ハンガリー医学部のデメリット

ハンガリー人が無愛想

      もちろん人によるが、総じてハンガリー人はあまり愛想のいい人達ではない。スーパーの店員などは特に、なんでそんな態度なの、と思わされることはよくある。若干だがレイシスト(人種差別主義者)もいて、通りすがりの車の中から下品なことを叫ばれたりすることや、侮辱するような態度を取られることがある。

 

日本での知名度が低い

       同級生が皆いい大学にいく中、ほぼ無名のハンガリー医学部に行く、というのはやはり勇気のいる選択だった。でもきてみたら、日本の同級生の話を聞く限り、こっちの方が楽しそうで来て良かったと思っている 笑

 

勉強がきつい

      私みたいなサボりグセのある人にはむしろメリットかもしれないが、サボる間も無く勉強せざるを得ない。医学部はどこもそうだと思うが暗記が8割で、耳から溢れそうな状態でテストに行くのもザラである。

 

遊び方のレパートリーがない

      遊園地など、大きなアミューズメント施設があまりない。ただトランポリンやガンシューティング、電動スクーターなど、探せば面白いものは意外とある。

 

ラーメンが美味しくない

     ラーメン大好きな私はよくラーメンのあるレストランに行くのだが、普通に美味しいラーメンはブダペストにはない。ウィーンやパリなど、ヨーロッパを旅行した時にラーメン屋に行くようにしている。ラーメン以外にも、やはり美味しい日本食はあまり食べられない。

 

 

 

とまぁ、こんなものでしょうか? 

私自身、意外とメリットあるじゃん、と再認識しました笑

また思いついたらその都度あげていきたいです。

他にも生活面でご質問などあったら、コメントお待ちしてます^ ^

ハンガリー医学部生の1日 -建前と実態-

 ハンガリー医学部は超忙しい、はウソ?

 

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Ian Sane <a href="http://www.flickr.com/photos/31246066@N04/47988801271">Laying in the Grass</a> via <a href="http://photopin.com">photopin</a> <a href="https://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/2.0/">(license)</a>

 

ハンガリー医学部は、留年&退学者続出の超過酷な環境で、卒業したければ生活を勉強に捧げなくてはならない

 

ハンガリー医学部 で検索してみた方は、この様なセリフを沢山目にしただろう。

 

実際私も入学前、デブレツェン大学の先輩に、「6年間毎日受験生くらい勉強できるかどうかにかかっている」的なことを言われた。

 

しかし私は今、

いや、そこまででもなくね?

と思っている。

 

先輩方を見ていても、勉強が厳しいのは確かだが、日本の受験生程かと聞かれると疑問である。

だがしかし、学生達の会話の中にも、彼らのブログにも、自分達は勉強がとても大変だ、という絶対的な共通認識があるように見え、不思議に思うことがある。

そんな訳で今回は、学生達が口々に大変だと言うハンガリー医学部での生活と、その実態、そしてなぜ彼らはそんなにも自分が忙しいことをアピールしたがるのか、について書いていきたい。

 

 

ハンガリー医学部生の一日

 

私が入学前に思っていた、もしくは学生たちがアピールしている、毎日受験勉強な生活、はこんな感じだろうか

 

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確かにこのスケジュールは誰がみても過酷だろう。

私も、医学部なんて授業も多いだろうし、毎日課題に追われて寝る時間なんてないのではないか、くらいに思っていた。

 

しかし、ハンガリー医学部において、

この様な生活を毎日している人は見たことがない。

(スタディールームにこない先輩はわからないが、多分いない)

 

そもそも授業は1日3〜6コマ、そのうち半分は自由出席のレクチャーで、不真面目代表の私なんかはレクチャーを全て切っている。(自分で勉強した方が早い、という理由も一応ある)

テスト前以外で毎日しなきゃいけない勉強なんて、強いて言えば予習復習くらいだろうが、それに1日6時間もかかるというのはあまり自慢にならない。しかも、毎日予習復習をしている人など、どれだけいるのだろう、と思う。

 

 

実際は、授業後は学校のサッカーチームに入っている人もいるし、習い事やジムに通っている人たちもいて、思っていたよりはるかに文化的な生活を送れている。

 

例えば2年生時の私の生活はこんな感じだ 。(週テスト、中間、期末含めテストが全くない時)

 

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私は、アナトミーだけは授業の合間の時間で予習復習していた。

もっと勉強してるよ!と怒る人もいるかもしれないが、私自身はこれより勉強していない日も多い。

 

もちろん、授業が8時から始まる日もあれば、19時に終わる日もあって、だいたいそういう日は空きコマがとても長かったりする。

レクチャーに全部出ている人は、授業の合間の自習の部分がレクチャーになる。

 

チューターというのは、解剖学などの重たい科目を、日本人の優秀な先輩が集団授業で教えてくれる制度で、大体週に1〜2回、HMUのスタディールーム(学校から2駅)で行われる。

なので、チューターのない日に、ジムなどに通っている人が多いのではないだろうか。

 

この期間は、学期中であっても、日本人学生達の飲み会が開催されることも多々あり、先輩方も沢山参加していた。

 

ちなみに、先ほどのゆったりスケジュールはあくまでテストのない期間で、私の場合テスト前はこうなる。(期末テスト期間中は、授業がない)

 

 

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私は、普段ほぼ勉強しないせいでこんなことになっているが、もっと規則正しく頑張っている人ももちろんいる。

たが、こんな感じでもGPAは4.8以上あるので、まぁ私にはこの方法があっているのだろう。

こつこつやっても忘れるものは忘れるし、どうせテスト前にやらなきゃいけないならそんな普段からやってもしょうがないじゃん、というのが私の意見だ。

 

つまり、テスト前とそれ以外の勉強のバランスは人によるものの、

・6年間毎日受験生

・勉強しかできないつらい日々

 

というような極端なイメージは、必ずしもこの通りではない、と言えるだろう。

 

なぜそんなにも、忙しいとアピるのか

ではなぜ、一部のハンガリー医学部生はそんなにも忙しいとアピるのか。

まずは、HMU(ハンガリー医科大学事務局)が入学前に散々脅してくることも原因だと思う。恐らく、あまりにも軽い気持ちで入学して、すぐに退学する人を減らしたい、という目的があるのだろう。

だが、スポーツなどしてる暇はない、くらいにいうので、入学後も自分たちは他の学生と比べてすごく勉強させられてると思い込んでいるのではないだろうか。

少なくとも、日本で受験生をやっていた高校の同級生達の方がはるかに勉強していた印象を受ける。

 

次に、毎日楽しそうにしている日本の医学生への自分達なりの虚勢、というのもあるだろう。

こっちにはキラキラしたサークルもないし、スタバでバイトもできない。有名大学医学部のような社会的ステータスも知名度もない。だがそれを、毎日勉強に明け暮れる自分たち、とすることで遊び呆けている日本の医学生より崇高な毎日を送ってる特別な学生と思わせたいのではないだろうか。(ちょっとひねくれすぎかも笑)

確かに私にも、日本の医学生は勉強していなさすぎるイメージがあるので、わからないでもないし、確実にハンガリーの方が勉強は大変だとは思う。

ただ、個人的に私は大学は勉強するところだと思っているので、毎日新しいことが知れる環境にとても充実感がある。

 

そんな風に忙しいばかりをアピールする記事も多いけど、実際やってみたハンガリー医学部での生活は、そこまで恐れられるほど厳しくないし、運動や趣味に割く時間も作れるし、飲み会にも行けるし、イメージよりだいぶ快適で楽しかったよ、ということが伝わればいいと思う。

 

最後に

結局は自分が必要なだけの勉強時間を把握して、自分のやり方で頑張る必要はある。

だがハンガリー医学部においても、毎日むやみに長時間勉強する必要はない

授業中だけでもまじめに取り組み、チューターなども活用して理解だけでもしておければ、テスト前の勉強で十分間に合う教科が大半だと思う。

結局留年するのは、授業中に理解していないまま放っておく人、テスト前に頑張れない人、何をどう覚えることがその教科において意味があるのかそもそも理解していない人、などそんなに時間がかからないことさえしていない人ではないかと思う。

 6年間勉強だけに圧迫された苦しい生活を送る、というイメージでもしためらっている人がいたら、必ずしもそうではない、ということを伝えたかった。

 

長くてすみません笑

以上が私の思うハンガリー医学部生の生活でした。最後はただの日頃思ってる私の感想でしたねw

 

少しでも、ハンガリー医学部進学を考えている人の助けになれたら嬉しいです。

 

次は何書こうかなー

 

 *コメント頂きました

 

お疲れ様です。

どうして上級生が忙しいアピールをするのかっていうことで、誤解されているようです。

もちろん自分の努力をひけらかすために勉強してるアピールしてる人もいますが、一番の目的はそれなにり勉強つらいから「覚悟してこいよ」ってことを言っているわけです。

ご存知の通りハンガリーの学校は頭おかしいぐらい忙しい学年があります。その時が来てもびっくりしないようにってことです。油断してのほほんとしていると痛い目にあうのがハンガリーの医学部です。一年生では中々そういった感覚がまだ分からないかと思いますが、みかんさんも油断せずに頑張ってください。

   

この方のおっしゃる通り、後輩が厳しさをナメないように、という目的なのか、後輩にいかに自分が忙しいかを語ってくださる先輩方もかなりいらっしゃいます。

今回のブログの趣旨が、どちらかと言うとハンガリー医学部へのハードルを下げていきたい、という方向性なのでわざわざ書いていなかった為、掲載させていただきました。

私は1年生ではないのですが、のほほんとしてないで、頑張りたいと思います^ ^

ハンガリー医学部 質問(を一部勝手に作って斬っていく)コーナー

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http://photo credit: solutionist999 20847907_m via photopin (license)

 

ハンガリー医学部への質問 受け付けます!

 

作ってすぐにブログに飽きて、2ヶ月全く見ていないうちにコメント欄で質問してくださった方がいるのに、情弱ゆえに回答方法が見つからなかったので、勝手に質問コーナーを作りました!

 

コメント欄にて質問いただいたこと、世間で見るハンガリー医学部への偏見などへの私なりの回答をその都度ここに書いていきますので、参考にしていただければと思います。

 

こんな使い方をして、なんて時代遅れなアホな奴と思われると思いますが、こういうものになれてなくて、もう素敵なやり方を調べるのがめんどくさいのです。ごめんなさい笑

 

まじめな質問コーナー

Q,ハンガリー医学部卒業生は、日本の医師国家試験を受けられないの?

確かに、ハンガリーの医学部を卒業して医師国家試験を受ける場合には、厚生労働省の審査が必要です。しかし、その審査に通らないかもしれないと心配している6年生の先輩方を見たことがないですし、通らなかったという話を聞いたこともありません。ハンガリーの医学部は日本の医学部よりも早くから国際基準を満たしていると認定されていますし、先日もハンガリーの首相が来日してハンガリー医学部の奨学金について合意したそうです。

日・ハンガリー首脳同席の下、奨学金の覚書を更新しました。 | 海外医学部留学 | ハンガリー医科大学事務局

 

元々ハンガリー医学部留学については日本政府公認の事業なので、現状が悪化することは今のところは無いのではないかとおもいます。

詳しくは、ハンガリー医科大学事務局に直接お尋ねください^ ^

 

Q, 40代からの留学は現実的?

30代、40代、50代と年齢が上がるにつれ人数は減りますが、沢山の大人の方が医師を目指して勉強しています。入試に余計な数学や文系科目が含まれないこちらの医学部は、むしろ大人の方にこそ開かれるべき門戸なのではないかと思います。

現実的な問題としては、金銭的な保証ももちろんですが、御本人の英語力、体力も確実に必要です。私の友人にも30代の学生がいますが、慣れない英語で、毎晩遅くまで勉強し、分厚い参考書一冊分をテストまでに暗記する、ということの繰り返しに苦労している姿を見ます。

ただ、もし留年したとしてもすぐに退学が決まるわけではなく、何度もチャンスは与えられますし、医師になりたいという思いで努力しきれることが一番大切です。

ハンガリーの医学部は、入ったら確実に医師になれるわけではないですが、幅広くチャンスを与えてくれるので、大人の方にとっても有効な選択肢になり得ると思います。

 

Q, 放射線の半減期などの計算はありますか?

ラディオロジー(放射線学)は物理の授業の最も重要な部分なので、もちろんやります。計算問題は物理のテストに必ず出るので、それより難しいもの、例えばボルツマン分布を求める複雑な公式、などを使う場面もあります。しかし、計算問題のある場合は必ず電卓持ち込み可能で、公式集もテスト中に配られ、パターンが練習問題と全く同じものしか出ません。物理は毎年かなり留年者が出る科目ではありますが、その難しさは計算ではなく、教授とサシでやりとりできるまで物理現象を理解すること、にあると思います。

 

Q,留年するとしたらお金はどうなりますか?

その一年分の学費、生活費、保険料がまるっと増えます。だいたい年間で、学費160〜190万円、生活費(家賃こみ)10〜15万円、保険料2万円くらいでしょうか?私はハンガリー政府の奨学金をもらっているので、学費は6年間全額無料ですが、一般的にはそんなものかと。金持ちが多いので、贅沢に暮らしている人の生活費はもっとかかるかもしれません。

 

Q, 日本の入試が上手くいかないからハンガリー、それってあり?やっていける??

むしろ大多数の学生の理由は、結局のところそれです。帰国子女だから、もう大人だから、などの事情はありますが、つまり日本の大学に受からないから来る人が大多数で、将来海外で働きたいから、などという理由の人は少ないです。まぁなので、珍しくは全然ないですが、個人的には、2年くらい浪人しても日本で医学部に入ることの方が、卒業までを考えると確実に楽そうだなと思います。周りの目を気にして、焦ってハンガリーに来ると、3年間自分の弱さと勉強に苦しんだ挙句退学されていく沢山の先輩方のようになるかもしれません。

やっていけるかどうかは、個人の能力(理解力、タスク管理、記憶力)をきちんと把握してるかどうか、そして自分に必要な分の努力が6年間毎日休みなく続けられるのか、にかかっています。学校外での1日の勉強量は平均2〜3時間だと思いますが、人によっては6時間くらい毎日勉強し続けてる人もいます(もちろんそういう人は留年しません)。

日本でどうしてもダメでも本当に医者になりたい場合には、チャンスを多くの人に与えてくれるハンガリーの医学部は、ありだと思います。結局日本の入試なんて医学部入ってからはなんの役にも立たないので…

 

Q, 基礎数学についていける自信がないのですが、、、

以前の記事で書いた、1年生前期にある基礎数学のテストですが、ほぼ日本の基礎物理簡単バージョンです。私のように数学を苦手とする方々にとっても、学校で配布される薄いテキストを3〜5周ほどやり込んで臨めば、全く問題はないと思います。ハンガリー医学部では数学能力が問われることはほぼありません。物理も、日本のようにボールが飛ぶだの、細かいことをちまちま計算する様なものではなく、MRIの仕組みを理解し、せつめいする、などかなり文系に偏った理解と暗記中心の科目です。ただし、中間試験にだけは出題範囲の決まっている計算問題があるので、試験前に一通りやっておくべきです。

 

Q, 生物試験の際、植物などについて聞かれるのか

植物は一切でません。光合成くらいは知っておいて損はないと思いますが。その他にも、生物史、分類五界説について、などは出たと聞いたことはありません。

 

知った様なこと言うなよコーナー (主にネット上の偏見より)

Q, 斡旋業者は詐欺なの?

HMU(ハンガリー医科大学事務局)には、確かに安くないお金を払ってはいます(6年で360万程度)。しかし、詐欺ではありません。入学前には入試を東京で受けることができ、ビザの取得や、アパートの契約、など、細々とした生活面でのサポートをしてくれて、私のような日本から出たことのなかった、書類が苦手なズボラでおっちょこちょい人間にとっては、確実に留学へのハードルを下げてくれます。

また、HMUのオフィスで、毎週先輩や大学の講師からチューターを受けることができ、ハンガリーの特殊な試験を突破して行くときに、情報不足による不利益を被らないようにできます。

更に、ハンガリーでは、私たちはハンガリー語を喋らないという点で常に不利な立場にありますが、私が引っ越したときHMUが間に入ってくれたおかげで理不尽にお金を取られすぎずに済みました。

斡旋業者を使わずに大学に入ってる方もいますが、日本から来る場合には大抵HMUを通して来る方が、煩わしいことがあまりなく、色々とスムーズではあると思います。

ただし、入学前と卒業時以外の生活面でのサポートはそこまで手厚い訳ではないかもしれないです。

Q, 授業ってハンガリー語なんでしょ?笑 難しいんだって?www

英語です笑笑 

 

Q, どうせ金持ちのバカたちがいくんでしょ?

確かに、君は何をしにきたんだい、的な方々もいらっしゃいます。ただ、そういう人たちは留年を繰り返し、退学されます。その一方で、学歴が大切ではないものの、京大、東大出身者や、麻布、ラサール、桜蔭、女子学院など有名高校を卒業した方、海外大出身者なども多く、年齢も19〜50歳前後と幅広くて、多様性に富むとても面白い環境です。

入学後はどの様な経歴を持っている方でも関係なく、かなりの勉強量が求められます。有名校出身者でも、何年も留年してる方はゴロゴロいます。純粋にモチベーションの高い人が、最終的に残っていきます。

言ってしまえば、入学以降は日本の医学部のがはるかに楽です、日本の医学生の友達は沢山いますが、曰く大学は人生の夏休みだそうなので、、、

 

Q, 日本に帰ってこれないよ?

普通に卒業していれば、日本の国試の受験資格が得られないことはほぼありません。帰国子女で日本語が得意でなく、在学中に海外の方と結婚されている、と言うケースで受験資格が得られなかった、的な話は聞いたことがあります。詳しい卒業実績はHMUのサイトを参考にしてください。

ネットでは日本の国試はほぼ100パーセント無理だから!みたいなことを書いている無知な方がいますが、事実無根です。

ただ、個人的には、日本で就職すること前提ならハンガリーの医学部に来る必要は無いと思います。英語で勉強して何か新しい医師としての働き方を探したい、と言う方には、EUの学生になるというのはかなりのメリットなので、お勧めします。

 

 

とりあえずこんな感じでしょうか?

これからもここに付け足していきたいので、質問お待ちしてます^^

 

ハンガリー医学部受験 攻略法 −医学部本コース編−

ハンガリー医学部に合格するには

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ハンガリー医学部に興味を持ってくださった方へ、その受験方法や合格までの流れをまとめてみました。

 

*この記事は、ハンガリーの各大学の受験を個人で直接受ける猛者のためではなく、HMU(ハンガリー医科大学事務局)という斡旋業者を使って受験する方のために書くつもりです。

*ここでは私の感想や実際に行った対策を元に書くつもりなので、詳しい受験方法などはHMUホームページ 募集要項を参照してください。

 

 

 

ハンガリー医学部入学には大きく分けて2パターンあります。

1、ハンガリーで半年or1年 プレメディコースに通ってから大学入学

2、ハンガリー国立大学の医学部へ直接入学 (本コース入学)

 

前回は、1、プレメディコースの受験について書きました。

hungary-medstu.hatenablog.com

 

引き続き今回は、ハンガリー医学部本コース受験攻略法をテーマに書いていきます。

 

 

2、ハンガリー医学部に直接入学

大学入学までの流れ

8月〜翌年4月   HMU東京事務局@西新宿にて、本コース一次審査受験

 

4月の3週目あたり  HMU東京事務局@西新宿にて、本コース二次審査受験(2〜4日間)

 

9月   ハンガリー医学部入学

 

 

受験科目

一次審査

 −書類提出: 志望動機書、学歴、親の職業や収入、など

 

−筆記試験: 生物、化学 又は 生物、物理 を選択 (日本語 or 英語)

                      英語(TOEFL ITP 集団受験)

−面接試験:日本語と英語

 

 

二次審査

 −筆記試験 

 センメルワイス大学、セゲド大学:

        作文(A4半分弱程度)

        一般英語40問、医療英語20問、生物20問、化学20問 計100問 

 

       

デブレツェン大学、ペーチ大学:

        生物(選択問題 10問、記述問題 2問)

        重点科目(化学 or 物理選択)(選択5問、記述2問)

        重点科目じゃない科目(化学 or 物理)(選択3問)

                         

 

 −面接試験: 各大学から来た教授と、英語での生物、化学の口頭試問 (10分〜長い人で20分程度)

 

 
対策方法

*一次審査については、生物が必須科目という以外、プレメディコースの受検と同一試験なので、以下の記事を参考にしてください。

hungary-medstu.hatenablog.com

 

予備コース、本コース併願受験を選択すれば、一次審査に通った段階で、プレメディコース(予備コース)への入学が可能です。

(受験料: 予備、本コース単願 3万 + 2万 計 五万円)

 

 二次審査 筆記試験

 

センメルワイス大学、セゲド大学:

–作文

年度によってあったりなかったりします。私の年には、試験2週間前くらいに、今年は作文ありません、と言われました笑

なので、作文は私も実物を見ていないので詳しくはわかりませんが、A4半分程度に、例えば、「今年気になった医学関連のニュースは」など、与えられたテーマについて書くようです。

日本の受験では考えられませんが、なにがあっても、さすがハンガリー笑 と思えるような心構えを。   

恐らく、英語力をメインで見ているのではないかと思います。

 

–一般英語

日本の大学受験でもやるような基礎的な文法問題(単語もあったかも)が出されます。仮定法などの実際には使わないような文法は基本出ません。

 

私は、市販の英文法の参考書 「全解説頻出英文法・語法問題1000 (大学受験スーパーゼミ)」を一冊やり込んで対策しました。帰国子女にとっては当たり前にできる問題ばかりなので、合格するにはここでミスはできません。

 

 –医療英語
医学の英単語はラテン語がベースになっているものが多く、単語の始めや終わりにあるラテン語の元の意味を答えよ、という問題が多かったです。例えば、premedical、のpreは、ラテン語で〜より前という意味、など。
 
そんなに難しいものは出ませんが、neuro(神経)、cardio(心臓)、myo(筋肉)などの医療に関するものも頻出です。私はどんな問題が出るのかしらされず、特に対策できなかったので、このセクションでは数問間違えてしまいました。
 
–生物、化学
日本のセンター試験レベルのことが選択問題で、英語で聞かれます。
 
私は日本語で生物、化学の知識がある程度あったので、HMUが実施している本コース試験対策講座を受けて英語で勉強し、問題なく解けました。9割割以上取ることができれば、合格への道は見えてくると思います。
 
 
デブレツェン大学、ペーチ大学:
–生物、重点科目
センメルワイス大学と同じく、センター試験程度で、特に難しい問題は出ません。本コース対策講座で十分だと思います。
重点科目には、物理より化学を推奨します。(本コース対策講座では、化学の方が授業数が多いので)
 
–重点じゃない科目
私は物理を受けました。学校では生物化学選択でしたが、それでも問題ないくらいの難易度でした。例えば、ma=F がわかっていれば解ける問題などがでました。
対策講座でやる物理ほどのレベルは、必要ありませんでした。
 
 
 二次審査 面接試験
各大学ごとに面接審査を受けます。部屋の中には、大学の試験管1人、HMUの理事1人がいました。東京に来る試験管は偉い人なので、その人に推薦してもらえればほぼ間違いなく合格します。
 
試験管はとにかく英語力、人格に問題がないかを重視している印象でした。
 
 
筆記が9割以上取れるくらい勉強していたら、恐らく大事な質問に答えられないことは無いと思います。もし全く知らないことを聞かれたら、とにかく考える姿勢を見せることが大切です。しっかり考え、自信があるように見せる話し方を心がけてください。
 
普段から、英語で生物、化学を説明する練習をとにかくするべきだと思います。私は、対策講座でもらったスライドの内容をとにかく英語で全部言えるようにしました。
 
聞かれた問題は、ミトコンドリアの細胞呼吸の仕組み、肺に水が溜まる病気はにおいて何が問題なのか、などでした。病気についてはまったく勉強していなかったので焦りましたが、肺胞と血管の間の換気が非効率になるから、などと当てずっぽうで答えたら、全く不正解ではなかったのか、減点はされていない印象でした。
 
 
 最後に
本コース直接受験は、受験者の内、各大学3〜5人程度しか合格しないので、確かに狭き門です。合格者は殆どが帰国子女で、海外大学出身者なんかもいます。しかし、私のような日本の高校出身者でも、日本で英語をしっかり勉強し、生物、化学の知識を英語で説明できれば、合格は決して不可能ではありません。
 
合格するには、とにかく英語力が全てです。最低でもTOEFL ibt 85点以上を取れる英語力が必要です。受験で培った英語力は、入学後も必ず役に立ちます。

   

理科系科目の対策については、 HMUが1ヶ月間実施している本試験対策講座を受講することが一番効率的です。私は対策講座での成績が良かったので、デブレツェン大学本試験の面接官に特に大した質問をされることもなく、合格しました。

 

ハンガリー医学部本コース受験については、こんなところでしょうか。

 

今度は本試験対策講座について書こうかなと思ってます。

 

 

 

ハンガリー医学部受験 攻略法–プレメディ編–

ハンガリー医学部に合格するには

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ハンガリー医学部に興味を持ってくださった方へ、その受験方法や合格までの流れをまとめてみました。

 

*この記事は、ハンガリーの各大学の受験を個人で直接受ける猛者のためではなく、HMU(ハンガリー医科大学事務局)という斡旋業者を使って受験する方のために書くつもりです。

*ここでは私の感想や実際に行った対策を元に書くつもりなので、詳しい受験方法などはHMUホームページ 募集要項を参照してください。

 

 

 

ハンガリー医学部入学には大きく分けて2パターンあります。

1、ハンガリーで半年or1年 プレメディコースに通ってから大学入学

2、ハンガリー国立大学の医学部へ直接入学

 

このそれぞれの入学方法の受験時期、対策について順番に説明します。

中でも今回はプレメディコース受験攻略法をテーマに書いていきます。 

 

*ハンガリー医学部直接受験については以下の記事を参考にしてください。

hungary-medstu.hatenablog.com

 

1、プレメディコース経由での入学

大学入学までの流れ

8月〜翌年4月    HMU東京事務局@西新宿 にてプレメディコース受験

 

9月      ブダペストにあるマクダニエルカレッジのプレメディカルコース 又はデブレツェン大学プレメディコースへ入学し、1年or半年後の受験へ向け対策

 

翌年 4,5,6月        大学受験(ハンガリー国内で実施、月に一回 大学毎 2、3回 受験可能 )

 

9月       ハンガリー国立大学 医学部入学

 

*デブレツェン大学のみ大学内にプレメディコースを持っていて、デブレツェン大学への入学がしやすい

しかし、ブダペストにあるマクダニエルカレッジからも入学は全然可能

 

受験科目、対策法

プレメディコース受験科目

 

-書類提出  :志望動機書(のちの面接でも読まれるのでちゃんと考えて書いた方が良いと思う。)、親の職業、収入などをみている模様。

-筆記試験  :生物、化学、物理のうち2科目 (英語 or 日本語)

                     英語(TOEFL ITP集団受験)

-面接試験 :英語と日本語

 

対策方法

 

私の年(2017ー18年)の志望動機書のテーマは

1、なぜ医師を目指すのか、どういう医師になりたいのか、何科の医師になりたいのか。

2、医学部の学問を習得する能力があるか

3、自分の過去の成績が自分の能力を表していないとすれば、それはどうしてか

 

でした。

なかなか面白いテーマですが、記入欄は手書きでそんなに文字数が入るわけではないので、きちんと考えていること、人間性に問題がないことが伝われば、書類で落ちることはないと思います(最近倍率が上がっているようなので厳しくなっている可能性はありますが、結局はプレメディコースなので、、、)

私は、アフリカのガーナに行った経験から、発展途上国の医療に携わりたいと考えていること、そのために英語で学びたいことを書き、それを面接の時にも、大学受験本試験でも突き通しました。思いに一貫性があることは大切かなと思います。

 

次に筆記試験ですが、

まずTOEFL ITPの集団受験を受け、その後生物などの試験を受けます。

 

英語が基準点に満たなかった人は(500点くらいだった記憶、気になる方はHMUに問い合わせてください)面接試験に進めず帰らされるので、私のような帰国子女ではない受験生は、TOEFL ITPの対策はしておいてよかったです。

 

基本的には市販の参考書で十分ですが、ITPは個人受験ができず、どうしても実際に試験を受けてみたかったので、以下の裏技を発見しました。(いい子はまねしないほうがいいかも)

 

SAF日本事務局という団体が、留学を考えている大学生向けにITPの集団受験を実施しているので、日本の大学に入学後SAFを通しての留学希望ということにして、高校生でもITP受験できるかメールで問い合わせたところ、受験できました。(SAFの事務局はHMUと西新宿のオフィスを共同で使っていますので、受験会場の下見もできます笑)

 

理科の受験科目については、私は生物、化学が圧倒的に有利だと思います。

人によっては物理選択だから物理がいいと思うかもしれませんが、とにかく生物はできないとプレメディコースでも話にならないので、生物、物理という選択をし、今すぐ生物の参考書を買いに行くべきです。

明確な表記はないですが、本コース受験の際は生物が必須科目なので、予備コース受験においても生物が有利と考えられます。

 

プレメディ受験の筆記試験のレベルは、センター試験の中でも比較的簡単な程度の問題が30問ほど並んでた印象です。15分〜30分くらいで解き終わる量です。

センター試験6〜8割くらいを目指して勉強しておけばまず問題ないと思います。

私は化学と生物での受験でしたが、化学では周期表をただ読めばいいだけの問題などがでました。生物は化学よりはレベルが高かった記憶ですが、それでも本当に対したことありません。

 もはやセンター9割が当たり前に取れる人であれば、今すぐ英語に力を入れて勉強し、本コースに直接入学を目指すことをお勧めします。

 

面接試験では、まず初めに、HMUに雇われた英語担当の外国人に志望動機などを英語で説明します。英語がある程度できるか見ている模様。そんなに喋れる必要はないが、準備はしていくべきだと思います。

その後、HMUの担当理事と日本語で質疑応答。どんな医者になりたいか、親や家族は同意しているか 、親の職業、学費をきちんと払えるのかなど聞かれます。

 

私は、学力的に問題があるわけではなかったからか、なぜハンガリーなんかに、と試験管言われてイラっとしたのを覚えています笑 

私にも一応考えがあっての受験だったのに、浅い考えで間違った選択をしていると言われているかのような印象でした。

皆さんも頭の固いおじさんからのぶしつけな質問を十分に想定し、うまく受け流してくださいね。

 

ちなみに、プレメディコース受験の際に志望大学について明確な順位を決めておく必要は全くありません。

なぜか書類に記入欄がありますが、おそらくHMUがなんとなく把握したいだけです。マクダニエルカレッジの学生はみんな、1年かけて4大学を周り、街の雰囲気や大学の構内の印象を比較してじっくり選んでいます。(入ってみないとわからない、地方ごとの日本人間の人間関係の問題などもあるので、、、笑)

デブレツェン大学にどうしても入りたい方は、デブレツェン大学のプレメディコースに入学するのがおすすめです。

 

 

長くなりましたが、プレメディコースの受験攻略法はこんなところでしょうか。

なかなか情報がなく困っている方も多い思うので、こんな記事を書いてみました。

*私が受験した時から色々と変わっている可能性があります。正確な情報は、HMUに直接お問い合わせください。

 

次回は本コース直接受験攻略法について書く予定です!

*追記しました

hungary-medstu.hatenablog.com

 

*コメントへの返信

Q,予備コースでも奨学金は使えますか?

  予備コースに合格した後、御自身で民間の奨学金を探して取得されることは可能です。しかし、ハンガリー政府の奨学金についてはあくまで大学からお金をいただくものであり、予備コースは大学とは関係ないので、予備コース生が取得することはできません。

    奨学金を頂ける日本人は各大学で年間約3人ですので、医学部生になったとしても、奨学金が受けられるとは限らないのが現状です。医学部の入試の成績がかなりよかった場合には可能性があると思います。