ハンガリー医学部生のブログ

日本の高校→ハンガリー医学部 入学方法から内部事情まで教えます

ハンガリー医学部の授業内容 1年生

実際ハンガリー医学部の授業って何するの?

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入学試験を乗り越えた先には、一体どんな大学生活が待っているのか、気になるところだと思う。

 

まずは某ハンガリー医学部 1年生の具体的な授業内容をまとめてみる。(大学名はちょっとまだ伏せさせてもらってます)

 

教科

 

・解剖、組織、発生学  (これで1科目)  

     レクチャー(講義)2、実習 3       /週

 

・物理学

     レクチャー1、実習1

 

・化学

      レクチャー1、実習1

 

・生物学

       レクチャー1、実習1

     

・統計学

        レクチャー1、実習1

 

・ラテン語

         実習1

 

・ハンガリー語

          実習1

 

・PE(体育)

           2週に1回

 

こんなところだろう。

他にもハンガリー医学部には、義務的選択科目という、選択科目のくせに取らないと留年、的な矛盾にあふれた科目がある。例えば、

 

・基礎数学

      これを終えないと、物理学の試験が受けられない。

 

基本、一度選択した科目の1学期分の授業を受け、期末テストを受け、合格したら単位がもらえて、また次の発展科目をとれるようになっている。

 

各科目、大講義室で受けるレクチャーと、15人程度のグループ毎に受ける実習の授業がある。

初めはレクチャーにも人はいるが、途中でほとんどの人が、あ、意味ないなこれ、と気づき、来なくなる。(ただサボる人もいるが、基本その間を惜しんで自習する。その方が早いので。レクチャースライドはウェブサイトからダウンロードできる。)

とあるレクチャーは最終的に200人→3人になったとか。

 

先輩の格言

「レクチャーはイントロダクション(導入)だから^ ^」

 

プラクトは出席義務なので、アナトミーが月曜朝8時だった人は、毎週最上階まで階段を駆け上がらなくてはいけないので大変です

私、1年よく頑張った、、、笑

 

科目ごとの授業内容も、今後順番にまとめていきます!

ハンガリー医学部入学方法

ハンガリー医学部に入学するには

 

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最近注目されてるとは言っても未だメジャーではないハンガリー医学部。

その入学方法をまとめてみた。

 

1. HMU(ハンガリー医科大学事務局)経由で東京での簡単な入試を受け、ブダペストのマクダニエルカレッジ、プレメディコースへ入学

→1年or半年 頑張って勉強

→3回まで受けられる入試(筆記と口頭試問)をブダペストで受ける

→大学入学

 

*HMUというのは日本の斡旋業者。日本から留学する人のほとんどが利用していて、入学までのさまざまな書類的手続き、新居の契約を主にしてくれる。各大学近くにスタディルームという自習室を持っている。

(ちなみに、形だけの面談が毎年あるだけで、留学直後以降助けになってくれることはほとんどないので皆怒っている笑

年間60万×6年=合計360万 近く払っているはず)

海外経験のある日本人で、HMUを通さずに入学してる人もいるが、その方法の詳細は調べてもほとんど出てこない。

 

*HMUのホームページを見て貰えばわかるが、デブレツェン大学は個別にプレメディコースを持っている(マクダニエルカレッジからでもデブレツェン大学への入学は可能)

プレメディコース入学の段階では大学は決まらない。なぜか志望大学欄があるが、おそらくただHMUが把握したいだけ

 

2.HMU経由で東京での大学入試を受ける→大学直接入学

 

私はこの方法で入学した。(海外経験がなかったので初めHMUには無謀と言われた笑)

ハンガリーの4大学それぞれから偉い人が来るので、東京で入試を受けられる。

HMU事務局での直前講習なるものを受ければ対策は十分、試験自体はブダペストで受けるよりも簡単らしい。

だが、毎年各大学3人ほどしかとらないので、英語と学力どちらもある程度求められる。

 

このどちらかの方法を取っている人がほとんどで、去年私の大学の一年生日本人の内訳は

プレメディから 10人ちょい (内 帰国子女3人) 直接 3人 (内 帰国子女2人)

と言った感じ

 

他には前述した通り、HMUに属さず自分でブダペストで入試を受けた日本人もいる

機会があれば彼女らに詳しくその方法を聞いてみようと思う

 

前の記事の繰り返しになるかもしれないが、ハンガリーの入試は本当に難しくはない。

覚えることは多いが計算などはほとんどなく、数学も不要。英語と生物でほぼ全てが決まると言っても過言ではない。

 

私が帰国子女でもないのに直接大学に入れたのは、英語がある程度できたこと(トフルは勉強していた)と、高校で生物選択だったので問題が解けたからだと思う。

なぜハンガリー医学部なのか

なぜハンガリー医学部なのか、

 

これは多くの人に聞かれる質問だ。

 

同級生も見ていて、これには大きく分けて3つの理由があると思う。

 

1、日本の国立医学部に入れないから。

2、学費、物価、全てが安いから。

3、英語で学べるから。
 

中でも、1の国立医学部に入れないから、という理由の人が色々な理由をつけてはいるが大半だろう。と言ってもこれは単に勉強が苦手ということではない。

 

まず帰国子女の人達。6、7年を海外の中高(圧倒的カナダ集中)で過ごした彼女たちは、英語は堪能、コミュ力抜群、度胸もマイペースさもあって私なんかには輝いて見える。

だがしかし、留学を終えて帰ってきても、日本の入試に受かるのは難しいのが現実だ。

そもそも欧米と日本では受験システムが全く違う。日本では、高校のGPA(成績)、エッセイ、ボランティア歴などは無用。医学部では欧米より圧倒的高レベルな数学が求められ、国立ともなれば古文、漢文、倫理政経。流石にエネルギー溢れる彼女たちにもいささか厳しいものがある。

 

次に、大学をすでに卒業している方、元ビジネスマンや現役歯科医といった大人の方々。賢く経験がある彼らであってもさすがに高校卒業後何年もしてから、微分積分を振り回して試験を突破し、18歳の子達と一緒に入学するのは、多くの人にとって障害が大きい。

 

上記のような理由で入学するケースも珍しくないのがハンガリー医学部の圧倒的多様性の根源であり、非常に魅力的な点だと思う。

 

ちなみに、残念ながら日本の国立医学部には何年かかっても受からないと判断してハンガリー医学部を志した、日本の高校出身者も少なくない。

海外大学の多くと同じく、ハンガリー医学部の門戸はとても広く(むしろガバガバ)、卒業することこそがたいへんなのだ。

膨大な量の勉強をこなさなくてはいけない環境の中、彼らは時には留年、退学の危機と戦いながら頑張っている。

しかし、たしかに英語力や処理能力は求められるものの、しっかり勉強していれば卒業することは決して不可能ではないと断言できる。

というか、留年、退学する人の殆どは結局のところ勉強していないだけだと思う。

 

 

ちなみに私は、

 

英語で医学やりたい

→ハンガリーなんて面白そう

   →逃げ恥(例のドラマの題名)ってハンガリーのことわざなんだ

        →ハンガリー医学部運命!?

 

という頭の悪い理由で決めた

(医師になりたい理由は一応ちゃんとあるので、それもまたいつか)